
事業用オフィスを持つべきタイミングは、会社の規模だけでは決まりません。
自宅で仕事を始めることには、多くのメリットがあります。
まず、オフィスの固定費を抑えられます。
また、通勤時間がなく、すぐに仕事を始められることも魅力です✨
特に起業したばかりなら、自宅から小さく始めるのは現実的な方法でしょう。
しかし、事業用オフィスは仕事が増えてくると状況が変わります。
オンライン会議が増えた。
取引先と会う場所に困るようになった。
さらに、仕事と生活の切り替えが難しくなった。
そんな変化は、自宅開業が悪かったということではありません。
むしろ、事業が次の段階へ進み始めたサインかもしれません。
今回は、自宅開業から事業用オフィスへ移るタイミングについて考えます✍
この記事で分かること
- 自宅開業で感じやすい「限界」
- オフィスを検討するタイミング
- 住所を仕事と生活で分ける考え方
- 来客やオンライン会議への対応
- レンタルオフィスという選択肢
事業用オフィスの前に知っておきたい、自宅開業の強み
起業すると、思っていた以上にさまざまな費用がかかります。
例えば、パソコンやソフトウェアです。
ホームページや名刺を準備することもあるでしょう。
さらに、広告や営業活動にも費用が必要になる場合があります。
そこで、自宅を仕事場にすれば、オフィスの固定費を抑えられます。
その分、集客や設備などに資金を使いやすくなります。
つまり、自宅開業は「オフィスを借りられないから選ぶ方法」ではありません。
事業を小さく始めるための、現実的な選択肢です。
事業用オフィスを考える前に現れる「自宅開業の限界」
自宅で問題なく仕事ができているなら、急いで環境を変える必要はありません。
一方で、事業が育つにつれて働き方も変わっていきます。
例えば、取引先が増えれば打ち合わせも増えます。
また、オンライン会議が日常になることもあります。
仕事道具や書類が増える場合もあるでしょう。
その結果、自宅では仕事を進めにくい場面が少しずつ増えてきます。
実は、この「少し不便」が重要です。
会社が大きくなったからオフィスを持つ、とは限りません。
「今の仕事場では仕事を進めにくくなった。」
そう感じたときも、仕事環境を見直すタイミングです⌛
事業用オフィスを考えるサイン① 来客や商談が増えた
最初に考えたいのが、取引先との打ち合わせです。
起業初期なら、オンラインだけで仕事が完結する場合もあります。
しかし、事業が広がれば対面で話す機会も出てきます。
その際、自宅へ取引先を招くことに抵抗を感じる方もいるでしょう。
そこで、カフェや貸会議室を使う方法があります。
もちろん、月に数回程度なら十分かもしれません。
一方で、毎回場所を探すようになると、予約や移動にも時間がかかります。
また、仕事内容によっては周囲の会話や視線が気になる場合もあります。
こうした状況が増えてきたら、事業用オフィスを検討するサインの一つです📝
事業用オフィスを考えるサイン② 自宅住所を分けたくなった
次に考えたいのが、仕事で使用する住所です。
自宅開業では、自宅住所を事業に使うケースがあります。
最初は、それほど気にならないかもしれません。
しかし、事業が広がるほど住所を使う場面も増えていきます。
例えば、取引先へ渡す書類です。
また、名刺やホームページなどで住所を使用する場合もあります。
法人では、本店所在地として住所を登記する必要もあります。
そこで、「生活する住所と仕事上の住所を分けたい」と考える方もいます。
ただし、この段階で必ず個室オフィスが必要とは限りません。
仕事そのものは自宅で問題ないなら、バーチャルオフィスという方法もあります。
一方、住所だけでなく仕事場も必要なら、レンタルオフィスが候補になります。
事業用オフィスを考えるサイン③ オンライン会議がしにくい
オンラインで仕事ができる環境は、現在では珍しくありません。
国土交通省の「令和7年度テレワーク人口実態調査」では、直近1年間のテレワーク実施率は16.8%でした。
これは、前年度から1.2ポイントの増加です。
また、雇用型テレワーカーの割合は25.2%となっています。
コロナ禍後は減少が続いていましたが、令和7年度調査では増加に転じています。
つまり、場所に縛られない働き方は、一時的なものではなくなりつつあります📍
しかし、「自宅でも働ける」と「自宅が最適な仕事場」は同じではありません。
例えば、家族の生活音が気になることがあります。
重要な商談では、静かな環境を確保したい場合もあるでしょう。
そのため、オンラインで仕事ができる時代だからこそ、集中できる仕事場の価値も見直したいところです✨
事業用オフィスを考えるサイン④ 仕事と生活を切り替えにくい
自宅で働けば、通勤する必要がありません。
これは大きなメリットです。
しかし、通勤がないからこそ、仕事を終えるきっかけを作りにくいことがあります。
朝起きて、そのまま仕事を始める。
夕食後に、少しだけメールを確認する。
休日でもパソコンが目に入り、仕事が気になる。
そんな状態が続くと、生活の中に仕事が入り込みやすくなります。
そこで役立つのが、「場所を分ける」という考え方です。
オフィスに着いたら仕事を始める。
そして、オフィスを出たら仕事を終える。
仕事場を持つことは、単に机を借りることではありません。
働く時間と生活する時間を切り替えるための環境づくりでもあります🔍
事業用オフィスを考えるサイン⑤ 仕事道具や書類が増えた
事業が続くほど、仕事に必要な物も増えていきます。
最初は、ノートパソコン一台だったかもしれません。
しかし、資料や契約書などが増える場合があります。
業種によっては、商品サンプルや仕事道具も必要です。
すると、生活スペースに仕事の物が広がっていきます。
問題は、単に部屋が狭くなることだけではありません。
必要な物を探す時間が増える可能性もあります。
また、私物と仕事の物が混ざりやすくなります。
仕事専用のスペースがあれば、必要な物をまとめて管理しやすくなります。
事業用オフィスを考えるサイン⑥ 一人ではなくなった
起業したときは一人でも、その状態がずっと続くとは限りません。
事業が育てば、スタッフを採用することがあります。
また、外部パートナーと仕事を進める場合もあります。
業務委託の方との打ち合わせが増えるケースもあるでしょう。
すると、自宅だけでは仕事を進めにくくなります。
特に、自宅へ他の人を招くことに抵抗がある方もいます。
一緒に働く人が増えてきたら、事業用オフィスを考える分かりやすい節目です。
ただし、最初から大きなオフィスを用意する必要はありません。
まずは1名用の個室から始める方法もあります。💡
こんな変化が重なってきたら、仕事場の見直しどき
- 来客や対面商談が増えた
- 自宅住所を仕事と分けたい
- オンライン会議の場所に困る
- 仕事と生活を切り替えにくい
- 仕事道具や書類が増えた
- 一緒に働く人が増えた
「売上がいくらになったら借りる?」だけでは決めなくていい
事業用オフィスを検討すると、「売上がいくらになったら借りていいのか」と考えることがあります。
もちろん、毎月の固定費を無理なく支払えることは大前提です。
しかし、売上だけでタイミングを決める必要はありません。
例えば、商談のたびに貸会議室を探しているとします。
また、集中できず、本来より仕事に時間がかかっているかもしれません。
オンライン会議のたびに部屋を整えているケースもあります。
こうした時間も、事業にとっては小さなコストです。
そこで、「オフィス代はいくらか」だけではなく、別の視点も持ってみましょう。
仕事場を変えることで、今の不便をどれだけ減らせるのか。
この視点を加えると、判断しやすくなります。
仕事場を持つことは「事業所」を考えることでもある
総務省統計局では、事業所や企業の基本的な構造を把握するため、「経済センサス‐基礎調査」を実施しています。
調査では、所在地や活動状態、従業者数など、事業活動を把握するための情報が扱われています。
もちろん、こうした統計上の考え方が、すべての起業家にオフィスを持つことを求めているわけではありません。
一方で、事業が続いていけば、「どこを仕事の拠点にするか」は重要になっていきます。
実際、令和6年経済センサス‐基礎調査の速報では、従業者規模1~4人の事業所が171万9,771事業所でした。
集計対象となった事業所全体の46.1%を占めています。
つまり、事業所というと大きな会社を想像しがちですが、小規模な仕事場も決して珍しいものではありません。
なお、令和6年調査は過去調査と対象範囲が異なるため、単純な時系列比較には注意が必要です。
いきなり賃貸オフィスを借りなくてもいい
「そろそろ自宅では厳しいかも」と感じても、大きな賃貸オフィスを借りる必要はありません。
そこで、事業用オフィスの候補になるのがレンタルオフィスです。
一般的な賃貸オフィスでは、物件によって保証金や内装などの初期費用が必要になります。
さらに、机や椅子、インターネット環境を準備する場合もあります。
一方、レンタルオフィスには、仕事に必要な設備があらかじめ用意されたサービスがあります。
また、1名から使えるコンパクトな個室もあります。
そのため、自宅と一般的な賃貸オフィスの間にある選択肢として検討できます。
会社の規模ではなく、「今必要な広さ」から選べることもポイントです。
事業用オフィスは「成長してから」ではなく「成長するため」に持つことも
オフィスというと、会社が大きくなってから持つイメージがあるかもしれません。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
集中できる仕事場ができる。
取引先と打ち合わせをしやすくなる。
さらに、仕事と生活を切り替えやすくなる。
こうした変化によって、仕事そのものを進めやすくなる場合があります。
つまり、事業用オフィスは「事業が成長した結果」として持つだけではありません。
これから事業を前に進めるための環境として持つ考え方もできます。
大切なのは、会社らしく見せるために借りることではありません。
今より仕事を進めやすくなるかどうかです。
まだ仕事場が不要ならバーチャルオフィスという方法もある
一方で、実際に働く場所までは必要ない方もいます。
自宅で十分集中できる。
来客もほとんどない。
しかし、自宅住所だけは仕事と分けたい。
その場合は、バーチャルオフィスも候補になります。
考え方はシンプルです。
住所を整えたいのか。
実際に働く場所まで必要なのか。
主に住所が必要なら、バーチャルオフィス。
個室の仕事場まで必要なら、レンタルオフィス。
そして、事業の状況が変われば、その時点で選び直すこともできます。
アントレサポートなら事業の段階に合わせて選べる
アントレサポートでは、事業の段階に合わせた仕事環境をご用意しています。
実際に働く事業用オフィスが必要なら、レンタルオフィスがあります。
レンタルオフィスは、渋谷・秋葉原・虎ノ門・四ツ谷・神保町などから検討できます。
また、住所を整えたい段階なら、バーチャルオフィスという選択肢もあります。
さらに、電話代行など、事業運営を支えるサービスも相談できます。
自宅から始めた仕事が、少しずつ育ってきた。
そして、「そろそろ仕事専用の場所が欲しい」と感じるようになった。
その変化こそ、事業用オフィスを考えるタイミングかもしれません。
「そろそろ自宅では限界かも」と感じたら
いきなり大きなオフィスを借りる必要はありません。
まずは、今の仕事に必要な広さや設備から考えてみませんか。
アントレサポートでは、レンタルオフィスやバーチャルオフィスなど、事業の段階に合わせた拠点をご案内しています。
まとめ|事業用オフィスを考えるタイミングは「不便が増えたとき」
自宅開業には、多くのメリットがあります。
固定費を抑えながら、小さく事業を始められるからです。
そのため、最初からオフィスを借りる必要はありません。
しかし、事業が育つと働き方も変わります。
- 商談が増える。
- オンライン会議が増える。
- 仕事道具が増える。
- 一緒に働く人が増える。
こうした変化によって、自宅で感じる不便が増えていきます。
それは、自宅開業が間違っていたということではありません。
むしろ、今の仕事場と事業の段階が合わなくなってきたサインです📍
だからこそ、まずは自宅で何に困っているのかを整理してみましょう。
住所なのか。
商談場所なのか。
それとも、毎日集中して働ける個室なのか。
必要なものが分かれば、選ぶ仕事場も見えてきます。
事業用オフィスは、会社を大きく見せるためのものではありません。
これからの仕事を、今より進めやすくするための環境です。
自宅で感じ始めた小さな不便を、次の働き方を考えるきっかけにしてみてください💡
よくある質問(FAQ)
Q. 事業用オフィスは、売上がいくらになったら借りるべきですか?
一律の基準はありません。毎月の費用を無理なく支払えることを確認したうえで、
商談場所や集中環境など、オフィスによって解決できる課題も含めて判断するとよいでしょう。
Q. 自宅開業のまま事業を続けても問題ありませんか?
仕事内容や住環境に合っていれば、自宅で仕事を続ける方法もあります。
ただし、賃貸住宅やマンションの場合は、契約内容や管理規約なども確認しておきましょう。
Q. 一人でもレンタルオフィスを借りる意味はありますか?
あります。仕事と生活を分けたい方や、静かな個室が必要な方、
来客対応を考えている方などは、1名用のレンタルオフィスも検討できます。
Q. バーチャルオフィスとレンタルオフィスはどう選びますか?
実際に働く場所が必要かどうかで考えると分かりやすくなります。
主に事業用住所が必要ならバーチャルオフィス、個室の仕事場まで必要ならレンタルオフィスが候補になります。
Q. 自宅からオフィスへ移る分かりやすいサインはありますか?
来客、オンライン会議、住所、収納、仕事と生活の切り替えなど、
自宅で感じる不便が複数重なってきたら、一度仕事場を見直すタイミングです✨
参考資料
発行者情報
![]() |
株式会社アントレサポート 1979年設立
渋谷・四ツ谷・虎ノ門・秋葉原・神保町エリアを中心に都心6拠点を展開し、これまでに5,000社以上の利用実績を有する。低コストで開業可能な環境の提供に加え、現場で蓄積した運営ノウハウの共有を強みとしている。 また、電話代行サービスを自社で提供し、士業ネットワークと連携することで、会社設立から運営までをワンストップでサポート。これにより、初めての起業でも安心して事業を立ち上げられる体制を構築している。 近年は、不動産・起業支援・IT・AIを融合した不動産テック領域の開発にも注力。データに基づく出店判断や経営支援を通じて、リアルビジネスの成功確率を高めている。なお、週刊不動産経営をはじめとする各種メディアにも多数掲載されている。 |
執筆者情報
![]() |
■株式会社アントレサポート 鈴木■
レンタルオフィス・レンタルサロン事業の企画・運営および、独立開業支援に従事。25年以上にわたり企業経営に携わり、 国内初となるレンタルオフィス・レンタルサロンの複合施設を企画・運営するなど、 これまでに2,000件以上の起業・開業相談に対応し、物件選定、資金計画、運営戦略まで一貫した支援を提供。 さらに、メタバースを活用したバーチャル美術館の構想を立ち上げ、国内若手アーティストの発掘・支援にも取り組んでいる。 本コラムでは、「失敗しない起業・開業」「収益性の高い会社・店舗運営」「女性・シニアの起業支援」をテーマに、 |
執筆日:2026年9月25日







-1.png)



