起業で失敗する人の7割が間違えてる!?
起業で失敗しないための心得とは?

失敗しないための心得

起業を果たすにあたって、つい尻込みしてしまいそうなのが「失敗」というリスク。人によっては「起業した人の8割が失敗する」と語りますが、果たして本当なのでしょうか。

実は企業で8割が失敗するという明確な根拠はなく、むしろここ数年は倒産する企業も減少傾向にあります。

しかし、多かれ少なかれ失敗してしまう人がいるのは事実。一体何が原因で失敗してしまうのでしょうか。

今回は起業で失敗する人がどのくらいいるのかを見ながら、失敗した起業家の実例や失敗しないための心得をお伝えします。

起業して10年以内に失敗する確率は30%!

起業や創業に関連するメディア記事において、「起業は8割が失敗する」「8割が10年以内に倒産する」と述べる記事を見かけます。ただ、その事実に関する明確な根拠はありません。

かなり古いデータや話を基にしたもので、今では確認できない情報であり、アクセス数を稼ぐためにセンセーショナルに伝えている信憑性の無いものと考えたほうが良いでしょう。

では実際のところはどうか。

中小企業庁が毎年公表している「中小企業白書」において、以下のようなデータがあります。

(画像1)

企業生存率1

引用:中小企業庁 中小企業白書 2017

8割が倒産するどころか、5年経過しても起業後8割以上の事業が存続しています。

また、古い情報ですが以下のようなデータもあります。

(画像2)

企業生存率2

引用:中小企業庁 中小企業白書 2011

上記は比較的に大きな事業におけるデータですので、個人事業などにおいてはもう少し数字は下回るだろうと考えられます。ただ古いデータも直近のデータもさほど大きな違いはなく、10年経過後に倒産した企業は30%程度。つまり7割以上の事業が存続しているのです。

10年以内で8割が失敗に終わるというほど、起業はリスキーではないと言えるでしょう。

起業でよくある5つの失敗パターン

起業が失敗する確率は3割程度とはいえ、自分が起業したら失敗する可能性がゼロというわけではありません。

ではなぜ失敗してしまうのかを、中小企業庁の公表する原因別倒産状況で見てみましょう。

(画像3)

原因別倒産状況

中小企業庁データより筆者作成

販売不振や既往のしわよせなど、倒産する理由で圧倒的に多いのは業績不振であるのが分かります。なお「既往のしわよせ」とは、経営不振に対する対策を講じなかったことで倒産するケースです。

倒産する原因は色々ありますが、よく言われる起業の失敗パターンは「1. 販売不振」「2. 既往のしわよせ」に集約できます。よく言われる起業の失敗パターンというのは以下のようなものです。

1. 集客や売り上げなど、販売力やマネタイズが弱すぎる

2. 財務や税務といったスキルが低すぎる

3. 負債から目を逸らしてしまう

4. 関連市場のマーケティングをしていない

5. 全て我流で進めようとする

上記すべて、販売不振や既往のしわよせに直結するといっても過言ではありません。

逆に捉えるなら、倒産原因で最も多いところに該当しないような経営を心がければ、起業で失敗という憂き目に遭わないとも言えるでしょう。

3つの実例に見る起業後の失敗と再起事例

再起

では具体的どのような経緯で起業に失敗し、起業家はその後どうしているのでしょうか。

【事例1】従業員の裏切りに遭い失敗

『発達障害就労日誌』というブログが人気を博している、運営者の「借金玉」さん。

実は、過去に事業で失敗して7000万円の借金を負った経歴の持ち主。経営していた飲食店はメディアで度々登場するほどの人気でした。

高額な負債を抱えることになった理由は、経営していた事業を離れ、別の事業を行っている間に起きた社員による横領と背信行為。一時は死をも考えた借金玉さんでしたが、信頼する投資家の支援や資産の売却により負債をチャラにしました。

現在はサラリーマンをしながらブロガーとして活躍していますが、いずれ事業で再起を図りたいとのこと。

参考:日経ビジネス 起業失敗で借金7000万、あわや「生命保険で返済を……

【事例2】マーケティング不足で失敗

昨今人気のシェアリングサービスやサブスクリプションサービス。「傘」をシェアしようという試みで事業を起こしたのが丸川照司氏。24歳という若さで事業を立ち上げ、現在は渋谷駅周辺に50スポット、計1000本の傘を配備しているとのこと。

もちろん最初は失敗もありました。捨てられたビニール傘を再生して貸し出すサービスを行っていましたが、壊れやすさや見た目の悪さから利用者が増えず断念。共に起業した仲間と検証を続け、現在は1本数千円する捨てられにくい傘を導入し、ベンチャーキャピタルからの資金調達にも成功。

2020年のオリンピックまでに、シェア傘を30倍にまで拡大させる考えです。

参考:LIMO 日本初、急拡大する傘の貸出サービス「アイカサ」~社会課題解決をサブスクリプションで

【事例3】詐欺に遭い失敗

株式会社lojus(ロフス)の社長である、26歳で起業した田中麻里奈氏。自社ブランド化粧品の『MAPUTI(マプティ)』が主力事業で、現在はペット用品や雑貨の卸売事業も展開しています。

現在でこそ大成功と言える起業家ですが、何と起業してすぐに6000万円の商品の仕入れ代が詐欺に遭っているとのこと。

しかし周囲の応援を受けて海外に進出したところ、自社ブランド製品が60万個の売り上げを達成。更なる海外展開を狙っています。

参考:Hint-Pot 27歳で6000万円の詐欺被害にも 女性起業家が語る挫折からの逆転

起業で失敗しないための5つの心得

ポイント5つ

前章でご紹介した、失敗を経験したことのある起業家3人の実例ですが、失敗しないための方法や成功法則という見方をすべきではありません。むしろ「失敗から再起を果たす方法」と捉えるべきと言えるでしょう。

「応援してくれる人」や「仲間」がいたことで、失敗を失敗のまま終わらせずに進み続けられているのです。

では失敗しないために大事な要素は何か。

あらゆるWEBメディアを見ていると、起業で失敗しないための方法は非常に多く述べられているのが現状です。ただどの記事にも、概ね共通しているポイントがあります。

1.目標は明確に設定して逆算して計画を立てる

2.自己管理を徹底する

3.最初から大きなスタートを切らない

4.一点集中にこだわり風呂敷を広げすぎない

5.支出入の管理を徹底する

簡単に言うなら、最初の独立は日曜起業などの小さな仕事から始めつつお金の管理を徹底し、明確な目標に向かってひたむきに進み続けること。途中の失敗は高い確率で訪れますから、上記のポイントでPDCAを回しながら徐々に軌道修正していくのが失敗しないための起業方法と言えるでしょう。

つまり最初にお伝えした倒産原因の7割である販売不振は、上記のいずれかにおいて間違いを犯していたという可能性があるのです。

失敗したくて起業しているのでは無いのは誰しも同じ。

まず起業で失敗しないためには、上記に挙げた5点をしっかり行うこと。そして自分の考えだけで進むことは避け、相談に乗ってくれるメンターとなる人や信頼できる仲間を作ることが非常に重要です。

「強い意志」「計画性」「仲間」という3つは、起業するにあたって欠かせない要素と言えるのではないでしょうか。


執筆者情報

株式会社アントレサポート 鈴木■

創立23年のレンタルオフィスの会社を経営。
バーチャルオフィス・レンタルサロンなど、さまざまな事業展開をしている。

執筆日:2019年10月23日