レンタルオフィスがオススメの業種・資格10選!
事務所の必要性と法律

起業するにあたって、必ず検討しなければいけないのが「オフィスの準備」。

オフィスと言っても賃貸オフィスやテナント、バーチャルオフィスなど様々ですが、実は業種によってレンタルオフィスが最もオススメなオフィス形態なのをご存知でしょうか。

開業にはオフィスが必要で、なおかつレンタルオフィスを利用したほうがメリットの大きい業種があるのです。

この記事では事務所が必要になる業種・資格、事務所に求められる要件を一覧でご紹介します。

最後までお読みいただければ、自宅開業や立地を妥協した賃貸オフィスより、断然レンタルオフィスが有利な理由も見えてくるはずです。

1.レンタルオフィスの利用がオススメの業種・資格一覧

業種によってレンタルオフィスの利用をオススメする理由は、法規制や許可制の必要な業種があるためです。

飲食店や理容店など、店舗がなくては成り立たない業種は多くあります。反面、IT技術の進歩によりインターネットだけで取引できたり、専門知識さえあれば仕事を受注できる業種も多くなりました。

ただオフィスや事業所がなくても仕事が出来る業種でも、一定のスペースが必須とされている業種や資格があるのです。

事務所などのスペースが必要な業種・資格
1.人材派遣業
2.不動産業
3.建設業
4.古物商
5.金融商品取引業者
6.貸金業
7.質屋営業
8.探偵業
9.士業
10.経営管理ビザ

なお解体工事業や電気工事業、土木工事業に関しては、建設業に含まれるため省略しています。

ご紹介した業種は、特にバーチャルオフィスなどの住所貸しサービスなどでは開業できません。法律や所属する団体のルールにより、事務所や執務室などのスペースが必要とされているためです。

2.バーチャルオフィスやシェアオフィスがNGの業種と理由

「レンタルオフィス」と似たサービスに「バーチャルオフィス」「シェアオフィス」があります。

3つのオフィス形態で大きく違うのは、個室の有無と執務スペースとしての環境です。

レンタルオフィス 個室ブースや個別の執務室など、壁で区切られた専用スペースがある
バーチャルオフィス 個室ブースなどは利用できない住所のみレンタルするサービス
シェアオフィス パーテーションなどでの区切りを設けていないオープンスペース

バーチャルオフィスは、会社登記もできる住所貸しサービス。ただ実際に作業スペースを借りるわけではないため、業種によってバーチャルオフィスの住所では許可や認可が下りません。シェアオフィスは実際に作業スペースが設けられていますが、他者が自由に行き来する性質上、業界団体によってNGとされています。

では前章でご紹介した業種が、具体的にどのような法律や規制によりバーチャルオフィスなどをNGとされているか見てみましょう。

人材派遣業 独立性があり、20㎡以上の事務所が必要(厚生労働省による規制)
不動産業 宅地建物取引業第3条に基づき、継続的に使用できる事務所の設置が必要
建設業 建設業法に基づき、独立性のある事務所や固定電話の設置などが必要
古物商 古物営業法に基づき、都道府県の公安委員会に事務所の届け出が必要
金融商品取引業 金融庁の「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」によりバーチャルオフィスはNG
貸金業 貸金業法により、営業所と固定電話の設置が必要
質屋営業 質屋営業法に基づき、都道府県の公安委員会により質物の保管設備が必要
探偵業 探偵業の業務の適正化に関する法律に基づき、都道府県の公安委員会に事務所の届け出が必要
士業 弁護士法や税理士法などに基づき、各士業団体の申請で業務実態の確認できる執務スペースが必要

3.特にレンタルオフィスの利用をオススメしたい業種・資格

さて前章でご紹介した業種によっては、「自宅と出入口が別になっている」「居住スペースと隣接していない」などの条件を満たせば自宅開業が不可ではない業種もあります。(※具体的な要件は各都道府県、または業態に関わる団体に確認が必要です。)

ただ事務所が必要と定められた業種や資格、そして個人情報やプライバシー保護といった守秘義務が厳しい業種においては、自宅よりもレンタルオフィスの利用が望ましいでしょう。

「士業」と「経営管理ビザ」に関しては、特にレンタルオフィスの利用が推奨されます。

弁護士 弁護士法第20条に基づき、所属する弁護士会の地域内にある事務所で執務を行わなければならない
税理士 税理士法第40条により、税理士業務を行うための事務所を設けなければならないと定められている
行政書士 行政書士第8条により、税理士業務を行うための事務所を設けなければならないと定められている
経営管理ビザ 入国管理局のガイドラインにより、バーチャルオフィスなどは事務所とは認められていない

例として挙げた3つの士業は自宅開業も可能ですが、弁護士会や税理士会、行政書士会といった各団体によって事務所要件が定められています。 また団体により事務所の視察などが行われるケースも少なくありません。

また経営管理ビザは「外国人が日本で会社経営を行うための資格」です。一定の区画を有する事務所が必要であり、バーチャルオフィスでの申請は認められていません。

つまりどの業種、資格も活動実態を確認できる業務スペースが必須であり、家族などが簡単に出入りできてしまう自宅は事務所として適さないと考えたほうが良いでしょう。

4.業種によって得られるレンタルオフィスの【メリット】は多い

ここまでご紹介した事務所の必要な業種では、主に以下の要件がポイントになります。

・住所貸しではなく実体としての事務所が必要
・広さなどの要件が定められている業種がある
・個室ブースなどの独立性の点でほぼ共通している
・都道府県や各団体により細かな事務所要件がある

賃貸オフィスや自宅の改装などでも各要件を満たせますが、やはりレンタルオフィスをオススメします。

理由はレンタルオフィスで開業するメリットが非常に多いためです。

レンタルオフィスで開業するメリット
・手続きが早く開業までの時間を短縮できる
・利用料が安いため事務所家賃のコストダウンが可能
・独立性を確保できるため事務所が必要な業種でも許可や認可が下りやすい
セキュリティ性に優れるため秘密保持が重要な業種に向いている
・すでにOA機器や会議室が用意されているため備品の用意が不要
・都心部のブランド力のある住所で開業できる
・電話秘書サービスを利用すれば不要な営業電話はカットできる
・オプションで経理代行などのサービスもある

確かに自宅を事務所としたり、安い賃貸オフィスで開業することは可能です。

ただビジネスの面でイメージを考えると、無理なコストダウンや許認可が不透明な方法を取るより、レンタルオフィスを利用したほうがビジネスらしいビジネスを実現できると言えます。

そもそもレンタルオフィスは、起業家はもちろんビジネス全般をサポートするサービス。レンタルオフィスはあなたのビジネスをスピーディ、かつ低コストで実現できる最適なオフィス形態なのです。

執筆者情報

株式会社アントレサポート 鈴木■

創立23年のレンタルオフィスの会社を経営。
バーチャルオフィス・レンタルサロンなど、さまざまな事業展開をしている。

 

執筆日:2020年2月19日