バーチャルオフィスに向いている業種ベスト5

バーチャルオフィスとは物理的な事務所のない、住所のみをレンタルできるオフィス形態。

賃貸費用を抑えられたり会社の住所として登記できたりするメリットがあり、昨今はプライバシーを守れるという理由で主婦や学生もバーチャルオフィスを利用します。

さまざまな用途で利用されるバーチャルオフィスですが、あなたはバーチャルオフィスを推奨できる業種と推奨できない業種があるのをご存じでしょうか。

この記事では、バーチャルオフィスを特におすすめしたい業種を5つご紹介します。

あなたが起業を考えている業種も含まれているかもしれませんので、どんなメリットがあるのかを踏まえて分かりやすく解説します。

日本の業種一覧

そもそもあなたは、日本の起業における業種がいくつあるかご存じでしょうか。

日本の業種は総務省の定義する「日本標準産業分類」を参照するケースが多く、現在のところ大分類だけで20種に分けられています。

【日本の業種一覧】
  • ●農業・林業
  • ●漁業
  • ●鉱業・採石業・砂利採取業
  • ●建設業
  • ●製造業
  • ●電気・ガス・熱供給・水道業
  • ●情報通信業
  • ●運輸業・郵便業
  • ●卸売業・小売業
  • ●金融業・保険業
  • ●不動産業・物品賃貸業
  • ●学術研究・専門・技術サービス業
  • ●宿泊業・飲食サービス業
  • ●生活関連サービス業・娯楽業
  • ●教育・学習支援業
  • ●医療・福祉
  • ●複合サービス事業
  • ●サービス業(他に分類されないもの)
  • ●公務(他に分類されるものを除く)
  • ●分類不能の産業

上記に挙げた大分類の業種はさらに99種類の中分類でに分けられ、小分類ともなると実に530の業種に分けられています。

そのため、すべての業種においてバーチャルオフィスの利用を推奨できるわけではありません。

事業のメインとなる住所としてバーチャルオフィスの利用を考えた場合、以下にあてはまる業種では利用をおすすめできないと言えるでしょう。

【バーチャルオフィスの利用を推奨できない業種】
  • ●農地や店舗など一定のスペースを必要とする業種
  • ●来客が多い業種
  • ●大型の設備が必要な業種
  • ●許認可や制限等により、物理的な事務所を必要とする業種

etc……

ではバーチャルオフィスに向いている業種とは何でしょうか。

今回は非常に多い日本の業種を日本標準産業分類の中分類に絞り、バーチャルオフィスの利用を推奨したい業種を5つご紹介します。

【おすすめの業種1】無店舗小売業(ネットショップなど)

「無店舗小売業」という業種自体が聞きなれない言葉ですが、バーチャルオフィスの利用をもっともおすすめしたい業種です。

無店舗小売業とは主にインターネット通販やネットショップを指し、バーチャルオフィスが向いている理由は多岐に渡ります。

【無店舗小売業がバーチャルオフィスに向いている理由】
  • ●自宅住所を秘匿して運営できる
  • ●一般の貸事務所などに比べて大幅に安いコストで利用できる
  • ●運営元の住所を公開することで安心感を与えられる
  • ●東京03の番号を問い合わせ先として利用できる

特定商取引法により、ネットショップは必ず住所や電話番号を公開しなければいけない義務が定められています。

そのため無店舗小売業を開業するかたにとって、バーチャルオフィスは大いに活用できるオフィス形態と言えるでしょう。

【おすすめの業種2】IT・ WEB関連の業種

続いてご紹介するのが、「WEB関連の業種」。

WEB関連の仕事は扱う商品や技術などにより、業種が細かく分岐します。よってバーチャルオフィスが向いているWEB関連業について、既存の分類と紐づけた業種をまとめて見てみましょう。

【バーチャルオフィスに向いているWEB関連の業種】
職種 業種(大分類) 業種(中分類)
WEBデザイナー

WEBライター

学術研究、専門・技術サービス業 専門サービス業
WEBマーケティング 学術研究、専門・技術サービス業 広告業
各種コンテンツ・アプリの運営 情報通信業 インターネット附随サービス業
プログラマー・エンジニア 情報通信業 情報サービス業

日本標準産業分類において「WEBに関連する業種」という大きな分類はなく、既存の業種の中にそれぞれのWEB関連業が含まれています。

いずれにしてもWEB関連の業種に関しては、その多くが比較的に小スペースでの業務が可能です。そのため自宅で開業してバーチャルオフィスを利用する人も多く、ノートパソコン1台で起業する人も少なくありません。

IT・WEBに関連した業種で起業するなら、バーチャルオフィスの利用がおすすめです。

【おすすめの業種3】出張・訪問型ビジネスに関連する業種

そして昨今増えているのが、「出張・訪問型のビジネス」。

出張・訪問型のビジネスは個人事業主として開業するかたも多く、自宅住所を伏せながら開業できたり事務所費用を安く抑えられたりするため、バーチャルオフィスはおすすめと言えるでしょう。

出張・訪問型のビジネスは、「経営コンサルタント」や「セミナー講師」、「訪問ヘアメイク」や「出張ヨガ教室」など、その種類は多岐に渡ります。

日本標準産業分類から業種を絞ることはできませんが、出張・訪問型ビジネスの開業を考えるのであれば、バーチャルオフィスは最適なオフィス形態です。

【おすすめの業種4】学習支援業

そして意外にも「学習支援業」も、バーチャルオフィスの利用がおすすめの業種です。

日本標準産業分類における学習支援業とは、主に以下のような業種を指します。

【学習支援業の種類】
  • ●学習塾
  • ●外国語会話教授業
  • ●書道教授業
  • ●生花・茶道教授業
  • ●そろばん教授業
  • ●スポーツ・健康教授業

実はバーチャルオフィスのなかにはレンタルオフィスや貸し会議室を運営している会社もあり、「学習塾」や「英会話教室」などとして利用する人も少なくありません。

少人数制の個人レッスン教室などを開業するのであれば、バーチャルオフィスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

【おすすめの業種5】その他の生活関連サービス業

さて最後にご紹介するのが、「その他の生活関連サービス業」です。

その他の生活関連サービス業には個人でもできるビジネスや各種代行業が含まれており、具体的には以下のような業種をイメージしていただくと良いでしょう。

【その他の生活関連サービス業の一例】
  • ●洋服直し
  • ●占い師
  • ●観光案内
  • ●チケット販売
  • ●ハウスクリーニング
  • ●その他家事代行

etc……

昨今では珍しくなくなった買い物代行や育児代行など、個人が活躍するビジネスは多くあります。

個人ビジネスは必ずしもオフィスが必要ではありませんし、ホームページ上で住所を明かす必要もありません。しかし事業としておこなうのであれば、やはりホームページを開設して事業拠点を明確にすれば信頼という武器を手に入れられます。

ここまでバーチャルオフィスに向いている業種をご紹介させていただきましたが、バーチャルオフィスを活用したビジネスにはメリットが多くあります。

【バーチャルオフィスを活用するメリット】
  • ●イニシャル・ランニングコストを削減できる
  • ●都心一等地の住所でビジネスのブランディングが可能
  • ●会社登記の住所として利用できる
  • ●利用開始までの流れと期間がスムーズ
  • ●会議室やレンタルオフィスが用意されているケースもある
  • ●03から始まる電話番号を問い合わせ先にできる

etc……

今や個人がビジネスへ参入する垣根は低くなり、また業種間の隔たりもなくなってきました。

小規模ビジネスをはじめとして、バーチャルオフィスはあなたの強い味方となるオフィス形態なのです。

執筆者情報

株式会社アントレサポート 鈴木■

創立23年のレンタルオフィスの会社を経営。
バーチャルオフィス・レンタルサロンなど、さまざまな事業展開をしている。

執筆日:2020年12月9日