物は試しで、新規事業の資金調達にクラウドファンディングを使ってみた!!その壱


2015年11月11日

[1]クラウドファンティングについて

事業起ち上げ時、事業資金の調達には、銀行借入など様々な資金調達の方法があります。
最近注目を浴びているのが、「クラウドファンディング」という資金調達方法です。

クラウドファンディングを知らない方の為に“ウィキペディア”から解説を引用します。

「クラウドファンディング(英語:Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。ソーシャルファンディングとも呼ばれる。」

今回、起業家の資金調達という意味でクラウドファンディングの可能性について考え、クラウドファンディングを実際に利用し、マーケティングと資金調達の観点で検証してみることにしました。

[2]クラウドファンティング申し込み編

READYFOR
インターネットで検索し、検索順位上位3つにアクセスしました。国内で最初にクラウドファンディングを始めた「READYFOR」と、「CAMPFIRE」、そしてサイバーエージェント運営の「makuake」です。

先ずは3社のHPから事業の申し込みを行いました。基本3営業日以内の返信とHPに明記してある通り、3社とも申し込みから2日目の11月10日に担当者より連絡がありました。

READYFORからの電話で担当者に事業内容を軽く説明しましたが、後日改めて電話面接があるという事で1回目の電話は10分程度で終了しました。その後メールにて、電話面接日程の予約を入れました。
Makuake

Makuakeの担当者にも電話で軽く事業内容を説明しました。エントリーシートがメールで送られてくるので、記入し、面談日前までにメールで返信します。CAMPFIRE

CAMPFIREは、メールでの連絡でした。インターネット上で新規登録の手続きを行い、事業内容を書き込む手順の様です。申し込みを行っても必ずCAMPFIREに掲載されるとは限らず、掲載されない場合もあるようです。インターネットでの申込内容記入は、私にはちょっと面倒でした。

各社のクラウドファンディング申し込み手順についてここまで書いてきましたが、
急ぎ新規事業の内容を詰めて、面接に向けて準備を進めていきたいと思います。
次回は、面接についてまたご報告します。


2015年11月30日

物は試しで、新規事業の資金調達にクラウドファンディングを使ってみた!!その弐

[3]クラウドファンティング担当者と打ち合わせ編

READYFORから電話面接の連絡がありました。メールで契約書とプロジェクトページ編集画面のログイン情報を送って頂くことになり、メール受信から3日以内に契約書とプロジェクト暫定案を返信するよう言われました。メール返信の3日後に電話確認があり、最終的にはその辺りをクリアーしてから掲載するか否かの審査になるそうです。
また、READYFORでは他社クラウドファンティングとの併用や助成金との併用はNGだそうです。今回は、他社も申込みしている旨と、READYFORの審査が通れば一本に絞る旨を電話でお伝えしました。

Makuakeのサイバーエージェントへ11月16日に行ってきました。キュレーターの方とお会いし、エントリーシートのダメ出しをいただきました。実際のところ、サポーターの約30%は自分の身内や関係者で集める必要があるそうで、自分自身でフェイスブックなどのSNSを利用して企画の拡散することが重要になるそうです。

クラウドファンディング仕組みクラウドファンディングの利用手数料は、サイバーエージェントの場合成功報酬で、募集総額の15%が取られます。また、カード会社手数料5%も引かれてしまうので合計20%が募集金額から引かれ、残りの80%の資金が受け取れます。
「企画を応援したい!」と、サポーターになる人は少なく、「リターンの質(価値)」で決める傾向があるので、サポーターが貰って嬉しいリターンの内容を考える必要があります。ただ、リターンにお金を掛け過ぎると手数料が引かれて手元に残る額がなくなり、本末転倒になるので注意が必要です。

クラウドファンティングは多くの人に見てもらう為に企画としての話題性が重要で、募集開始から24時間で30%から50%の資金を調達していることが成功のポイントだそうです。自分の関係者に最初にサポーターになってもらい、いくつか票を集めておくことで、回遊している他のサポーターが盛り上がっている企画として認識し、サポーターの参加者が増えていくのだそうです。

また、募集金額は低めに設定しておくことも成功のポイントになるそうです。募集金額が100%を超え、盛り上がっている企画として演出した方が、結果として集めたい金額に近づくようです。募集金額を高めに設定して100%に満たないよりも、150%、200%となっていた方がサポーターの目に止まりますよね!

今回、Makuakeの打ち合わせでクラウドファンティング担当者と直接いろいろとアドバイスをいただき、相談できたので良かったです。
現時点では、リターンの内容を吟味する必要があると判断し、企画内容を再考してから再度申込をすることにしました。また、進展状況をご報告します。

因みに、CAMPFIREの申し込みは、記入する項目が多く、電話での質問や相談は行っていないようです。少々面倒に感じたので今回CAMPFIREは申し込みするのをやめ、今後2社に絞って検証してまいります!


2016年02月22日

物は試しで、新規事業の資金調達にクラウドファンディングを使ってみた!!その参

企画の資金調達の為、クラウドファンディング2社へ相談していましたが、リターン内容改善の指示を受け、企画内容から再考・変更して再度申込をすることにしました。

今回は、企画を替え、新たにクラウドファンティングでの資金調達にチャレンジしてみた結果についてご報告したいと思います。

アイデアを起業に繋げることは大変です。儲かる企画を考えなければ成らなく仕組みが必要です。

新たな企画は、アントレサポートのOB(当社のサービスを利用して通常のオフィスに独立した会社・人)の方何人かと起ち上げた、全国の芸者衆を応援する任意団体「日本お座敷遊び協会」での企画になりました。

日本お座敷遊び協会が主催し、2月29日に開催される「第4回新春お座敷遊び大宴会」のイベント支援をクラウドファンティングで行います。お客様募集は協会で行っておりましたが、その一部集客のカバーとイベントの更なる告知になればと考えました。

[4]Makuake担当者との打ち合わせ編

早速、前回相談したサイバーエージェント運営のmakuakeの担当者にアポを取り、面会しました。企画内容・リターン案について、問題無いと言われましたが担当者との話で再度ブラッシュアップし、アイデアも提案して頂きました。ただ、イベント企画の場合、募集方法をmakuakeに1本化した方が良いというようなニュアンスの話しもありました。日本お座敷遊び協会の方でも通常の募集は行っておりましたので、makuake1本化は難しい旨お伝えし、お客様から見て解り易い方法は無いか再検討することにしました。

また、makuakeの場合、募集開始後3日間である程度の金額が集まっていないと目標金額に達することは難しいと言われました。自分の周りの友人・知人たちに応援してもらう必要があり、告知力が大きく問われるそうです!!

[5]READYFOR担当者との打ち合わせ編

次に同じ企画でREADYFORの担当者と電話での相談、面接を行いました。企画内容的にはやはり問題無いとmakuakeと同じ反応でした。早速メールが送られてきて企画内容をダウンロードした書式に打ち込み、契約内容を確認してメールを送信します。手続きとしてはとても簡単で、企画が作り込まれ、リターンの内容がある程度固まっていれば早く完了します。

リターンについては、数量が無制限のリターン、1万円前後のリターンを作るように言われました。READYFORでは、1万円のリターンの支援者が多いそうです。ただ、それに見合う、損したと思わせないだけのリターンを考える必要があります。これが大変です!!

企画内容の編集が終わると、企画公開前に周囲への告知方法についてどう拡散させるかを考えるよう指示がきます。フェイスブックなどでの告知文章例などが記載されたメールが届きます。やはり企画公開前の準備が要の様です。

[6]makuakeとREADYFORの違い

同じクラウドファンディングでもmakuakeとREADYFORでは違いがありました。
大きな違いは、makuakeはプロジェクトの希望金額が集まらなくても集まった金額だけで成立させるプランがありますが、READYFORは希望金額が集まらなければプロジェクト不成立になる点です。
例えば目標額を100万円に設定し、50万円しか集まらなかった場合、makuakeでは目標金額未満でも企画成立とさせるプランがありますが、READYFORは不成立ということで50万円集まっていても一銭も貰えない仕組みになっています。
また、プロジェクトを進める上ではREADYFORの方が対応が早いと感じました。

資金調達の上でどちらのサイトが良いかはわかりません。何れとも自分自身の広報活動に大きく左右され、フェイスブックなど駆使し知人の協力を得る必要があります。

今回は、自分での広報活動を一切せずにプロジェクトがどうなるか、不成立になるかもしれませんが、物は試しで行ってみます。

以下はREADYFORでのプロジェクト内容です。
今回のプロジェクトで集める金額は、大宴会イベントの予算の一部として35万円に設定しました。
READYFORプロジェクト内容

[7]READYFORでのクラウドファンティング惨敗!!プロジェクト不成立で終了!!

プロジェクトが開始から10日が過ぎた頃にREADYFORの達成担当キュレーターという方から連絡がありました。
どういった広報活動をメインに行っているかの確認と、広報プランのアドバイスがありました。
「どういった広報活動を行っているか」「何名で行っているか」「今後の広報活動予定は?」「今後、更に広報メッセージなど送れる人はいるか」「広報を応援してくれるメンバーに社会的に影響力のある方はいるか」など、広報活動について詳細に確認されました。

プロジェクト開始から10日が過ぎた時点で、目標金額達成率13%でしたので、残り20日での達成は困難な状況でした。目標達成出来なかった場合は支援を希望する方の支援も受けられません。「0か100」そこがREADYFORの厳しいところです。

プロジェクトの内容や実施者により違うのかもしれませんがクラウドファンディングの成功は難しい・・・・・・
今回はプロジェクトを達成出来ず、惨敗という結果で終わりましたが、クラウドファンティングの仕組みがわかり勉強になりました!

執筆者情報

株式会社アントレサポート 鈴木■

創立23年のレンタルオフィスの会社を経営。
バーチャルオフィス・レンタルサロンなど、さまざまな事業展開をしている。

執筆日:2017年11月8日